とにかく浅い眠りだった。
昨晩も書いたように、トイレを使う人に起こされ、ハエに起こされ、暑さに起こされ、ついでに言えば雨の音にも起こされたのよ。
外にテントを張らなくて良かったなぁと思うほどの雨音に。
幸い雨は降り続けることないけどね。
3時半、もう起きて出発しよう。
このままここに居てもグッスリとは眠れないしね。
今日は雨が降る予報なんで、降り始める前に出来る限り進んでおきたいし。
昨晩、買ったまま残してた(と言うより、セイコーマートの「さけるチーズ」は2個セットだから、余っちゃうんだよ)チーズを頬張り、寝袋や銀マットを撤収。
5時前には出発。
夜空は半分くらい雲を被ってて、半分くらいは星が見える。
晴れてくれればいいのになぁ。
昨晩の雨が乾ききってない道を南西へ。
まずは北海道最南端を目指すんだよ。
昨日、野宿するつもりだったトンネルメモリアルパークは、確かにすぐ先だったのよ。
でも、雨が降ったことを考えると、昨晩のバス待ち合い所で正解だったね。
強烈な向かい風が前からやってくるけど、「最南端を過ぎたら北東へ向かうから、きっと追い風になる」なんて甘い考えをしてました(笑)。
5時半、ようやく登り始めた朝日の中、辿り着いた最南端の「白神岬」。
国道沿いのトンネル脇にヒッソリと存在するスポットって感じ。
華やかさは全く無いねぇ。
晴れてる日には対岸に竜飛岬が見えるらしいけど、今朝は無理だなぁ。
でもね、これから最北端を目指すんだうちには、外せないスポット。
最南端をぐるりと回っても向かい風。
やっぱり追い風にはならない…。
朝から辛いなぁ。
●千早と雪歩に出会った
6時には松前町に入った。
国道から見える松前城がショボくてワロタけど(笑)。
桜の名所みたいだね。
あとは松前漬けか。
市街地から離れていない場所にある「道の駅 北前船 松前」、計画時にはここが初日の野宿スポットだったはずなのにね。
とっても綺麗な道の駅。
海沿いにあるんだけど、予想通り野宿にピッタリって感じ。
コルナゴちゃんを駐車してると、車中泊のプロ夫婦(キャンピングカーでの車中泊)がテーブルを出して朝食しながら、色々と話し掛けてくれるのね。
聞かれることは、大概一緒なんだけど(笑)。
朝起きてから顔を洗ってないことに気付き、ここで洗っちゃえってことで洗面用具を持って裏手に回ったのね。
するとそこにはテントとチャリンコが。
先にトイレで顔を洗って歯を磨いて、ついでにシャンプーして、それから再び裏手へ回り声を掛けてみた(笑)。
最初はカップルに見えたんだよね。
そしたらもう一人女の子が登場して、女性2名男性1名。
みんなバラバラの一人旅だったのよ。
んで、みんなうちより断然若いwwwww
道の駅の裏手は芝になっていて、海が見渡せる。
「ここ、テントを張るのに凄く良かったです」って、やっぱり頑張ってここまで走ればよかった(笑)。
男性はライダーだったけど、女性は二人ともチャリダー。
雪歩はロード(多分このOPUS Cantate-Womanかな)に太めのタイヤを履いて、うちが前まで使ってたシートポストのキャリアとハンドルバックを付けてる。
「普段は細いタイヤを履いてるんですけど、旅の時には太目のを履いてます」って話す彼女は、旅慣れてるのかもしんない。
もちろんテントも調理道具も積んでて、朝からコーヒーを作ってた。
千早はランドナー(なんと・・・アラヤのSWALLOW)。
しかも初めてのチャリンコ旅行だって言うからビックリだわ。
店のおじさんに頼んだらこれになったんですって彼女は言うけど、日東のキャリアまで前後に付けてる本格派。
4つのサイドバッグ+ハンドルバッグは楽天で買ったんだとか(帆布を使った、オーストリッチのサイドバッグ/DLXだね)。
バックには女の子らしくお花が飾ってあって可愛い(笑)。
バッグはキャリアから取り外しにくいって言ってたけどw
女の子一人旅のチャリダーなんて本当に珍しいのに、道中で少し前に偶然出会って、そこからは二人一緒に走ってるらしいよ。
凄いなぁ。
ライダーの兄ちゃんも含めて、4人で話したり写真を撮ったり。
うん、楽しい。
ハエに悩まされた昨晩と大違いだなwwwww
というわけで、1時間近く話し込んじゃったよ。
いや、向かい風だから出発したくない気持ちも強くて・・・。
●土砂降り始まる
彼女たちは函館方面へ向かうので、うちはまた一人旅。
すぐそばにあったローソンで二度目の朝食を摂り、再び向かい風の中を進み始める。
時刻は7時、この時点でまだ走行距離は20km。
彼女達から聞いてた通り、海岸線沿いの気持ちいい道が続くのね。
アップダウンは多いけど、まだまだ平気。
その上、いつの間にか向かい風もやむという幸せ。
散々休憩しといてなんだけど、最初にも書いた様に今日は雨の予報なんで、早めに行けるところまで行っておきたい
なのに8時になると、無情にもポツポツと降りだす雨。
しかもちょっとした峠を登っていくにつれて、どんどん強くなってくるし。
峠のてっぺんにあるトンネルへ逃げ込み、トンネルを抜けたら土砂降りになってた(笑)。
仕方ないからトンネルの出口にコルナゴちゃんを停めて雨具を装着し、雨足が弱くなるのを待つしかなく。
ペコペコとみんなにメールを打ったりしながら、その時を待つ。
30分ほど待って、少し雨足が弱まったのを見計らって飛び出し、峠を下ったのね。
せめてなんとか、上ノ国にある道の駅まではもってほしい。
でなきゃ、雨宿りも休憩も出来ないし。
道の駅まで残り2キロで、再び豪雨。
どうやら大雨警報が出てるらしいよ・・・。
いや、確かに電光掲示板には表示されてたけど、注意報とか警報って地方名で表示されるから、分かんないだよねwwwww
おかげで自分の居る場所に出てるのか、この先に出てるのか、よく分からないまま走ってる(笑)。
必死で辿り着いた「道の駅 上ノ国もんじゅ」へ逃げ込み、同じく逃げ込んできたライダーと談笑。
お互いにずぶ濡れwwwww
更に飛び込んできたオバチャンが「もう、ここまで来れてたのね」って言うから誰だろうと考えて、松前の道の駅で話し掛けて来たキャンピングカー夫婦だってことに気付いた。
オバチャンの顔なんて、おぼえてねぇよwwwww
とにかく土砂降り。
バケツをひっくり返した様な・・・ってやつ。
笑っちゃうくらいに酷い。
なんか腹に入れて時間を潰そうかね。
とは言え、まだ10時前なのでレストランも空いてないし。
売店へ行ってみると、レジ前に謎の饅頭っぽい物体が。
「かたこもちって言うんです。餅米と黒砂糖で作ってるんですけど、甘過ぎないです。出来立てなんで、暖かいですよ」
早速、一つ頂いてみたよ。
んむ、日本茶が欲しくなる(笑)。
あっという間に平らげて、二つ目も購入。
ベンチに座って、降り行く雨を眺めながらかじってた。
雨宿り出来てるから幸せだけど、そうなるとやっぱり欲が出てくるよね。
なんとか江差までは行きたいなぁ。
江差なら少しは都会みたいだから。
●恒例のパンク祭
1時間ほど待って雨が弱まったので、ライダーの兄ちゃんに別れを告げ、再び雨の中を飛び出る。
走ってるうちに、すっかりも小雨に。
んで、11時過ぎには江差に到着。
江差には有名(?)な無料のキャンプ場があるのね。
海に少し突き出た「鴎島」にあるキャンプ場。
しかし・・・まだ午前中だし、雨だし、今日は流石に用事無いw
そして鴎島の手前には馬鹿でかい黒い軍艦が。
江戸末期にオランダで建造された開陽丸らしいよ。
勝海舟の時代だね。
遠くから見たらハリボテっぽかったけど、なんのなんの立派な物。
中は博物館になってるみたい。
ちょっとした観光に最適な江差で朝市を覗いたりとフラフラしているうちに、またぱらついてきた雨を感じながら「今日はここまでにしようかなぁ」と弱気になりつつ、街外れにある道の駅 江差へ。
しかし、ここはトイレとちっさい売店しかなく、雨宿りも出来ない。
これまた泣きそうになりながら、雨の中を飛び出るしかなく。
後輪がおかしな音を立てたのは、江差高近くの坂を上りきったところ。
なんだ?って見てみたら、既にタイヤはぺしゃんこだった(笑)。
まさか、二日目というこんな早いタイミングでパンクとは・・・。
しかも雨の日に・・・。
ちょうどホームセンターの前だったので、軒先を借りてパンク修理。
キャリアを支えてるのがクイックシャフトだから、今回からは後輪のチューブ交換が大変なのよね・・・。
原因は何かを踏んだみたい。
タイヤごと貫通してる。
とりあえずタイヤの内側はビニテを貼って、チューブもパッチを貼ることに。
これでダメになったら、次はチューブ交換にしよ。
修理が完了して、ホームセンターでパナレーサーのパッチを補充しようとしたら見付からず。
相変わらず雨が降り続ける中、15キロ先にある次の道の駅へ向けて出発。
とにかく「次の道の駅まで頑張ろう」って常に思いながら走ってるw
あ、この時点で90km、12時丁度ね。
3km走ると久しぶりのトンネルが出てきたのね。
「トンネル内でパンクとかマジ勘弁」と思って、念のためもう一度後輪をチェックしてみることに。
でも・・・何か「こくんこくん」って回ってる気がする・・・。
微妙な振動がある・・・。
まさか・・・空気が抜けてきてる?と思って、停まってタイヤを触ってもガッチガチ。
んで、再びサドルをまたいだ瞬間、凄まじい破裂音と共に、チューブが爆発した・・・。
一瞬、何が起こったか分かんないほどの衝撃が・・・。
またパンク修理しなきゃいけないけど、雨降りの中で周りは草むら。
先にあるトンネルでやるか、少し手前の老人ホームでやるか。
考える間もなく、老人ホームの軒先へ行くことにしたのね。
コルナゴちゃんを押しながら、タイヤがホイールから外れかけていることに、再び衝撃を受けて・・・。
ホイールを傷つけない様に、後輪部分を軽く担ぎながら。
チューブの破裂箇所をチェックして、ショックを受けた・・・。。
どう見てもチューブがリムとビートの間に挟まってたのが原因です・・・。
分かりやすく言えば、チューブをタイヤに収納し損ねて、タイヤとホールの間にチューブが挟まっていた状態。
バカすぎる・・・初めての失態だわ・・・。
いくら慌ててパンク修理したとはいえ、あまりにもお粗末なミス。
挟まった部分が破裂で見事に裂けてたので、新しいチューブに交換。
んで出発したのは13時半。
まったく、さっきから無駄な時間ばかりを過ごしすぎだよ・・・。
●ただ、寂しさだけが募る
高台のてっぺんにある「ルート229元和台 道の駅」へ到着したのは2時。
気温は20℃って書いてあるよ・・・。
寒いと言えば寒いけど、雨だからずっとヤッケを着てるしね。
野宿するには良さそうな道の駅だけど、まだ時間は早いし、周りにはあまりにも何もないのよ。
ただただ芝生が広がるのみ。
晴れてたら気持ちよさそうなのに。
次の道の駅は40キロ弱先だけど、それを目指すか・・・。
でも、そっちは野宿できるかどうか分かんないし・・・。
30分ほど悩んで、覚悟を決めて次の道の駅を目指す。
いや、今日は覚悟を決めすぎだろwwwww
お分かりの様に、今日のテンションはお姉ちゃんと写真を撮ったときがマックスで、それから雨が降ってどんどん下がり続け、パンクして思いっきり下がって、一つも上がる要素が無いんだよね・・・。
せめて、最後の道の駅では素敵な出会いがあれば・・・。
寂しい夜にならなければいいのに・・・。
ようやく雨も上がり始め、海側には奇岩が続く。
「親子熊岩」で写真を撮ってみたけど、イマイチどこが親子なのかよく分からないwwwww
上の岩が口を開けたライオンに見えるwwwww
でも、少し横から見たら、確かに親子熊だったんだよ。
リンク先の写真の方が分かりやすいね。
本日最後の道の駅「てっくいランド 大成」に辿り着いたのは16時。
道の駅の様子を眺めてみたところ・・・めちゃめちゃ寂しい感じの建物・・・。
道を挟んだ海側にも建物があるけど、そこは既に閉鎖されてる。
どうやら海水浴場らしく、道の駅にもシャワー室があるのよ。
野宿スポットとして紹介されていた「ステージ」も、シャッターが下りて使えそうにない・・・。
まいった・・・。
どう見ても誰も野宿しそうにない・・・。
しかも周りには何もない・・・。
この先を進もうにも峠越えがあって、完全に夜になっちゃうから進みたくない・・・。
峠を越えたところで、道の駅はないから野宿も出来ないし・・・。
やはりここで寝るしかないか・・・。
まだ道の駅も営業中なので、とりあえず先に晩飯を済ましちゃおう。
なのに、ここでは食事も摂れない・・・。
仕方ないから少し先にあるセイコーマートへ。
適当な弁当を買って、店の前で頬張る。
ちょうどツーリングっぽいライダーが居て、「この人も、あの道の駅で野宿します様に!」って祈ったのに、逆方向に走り去って行っちゃった・・・。
あぁ・・・。
ところが・・・道の駅へ戻ると1台のバイクが停まってて、ベンチではお姉ちゃんがツーリングマップルを眺めてる!
まさかの女の子ライダーと一泊か!なんてテンションが上がって声を掛けてみたw
お姉ちゃんは札幌から来たライダーで、残念ながらここで野宿じゃなくて、江差にある友達の家まで走るんだって。
「一緒に行きませんか」って言ってくれ!なんて甘い考えが一瞬よぎったけど、そんなに上手いこといくわけもなくw
「この道の駅ですと道路からも離れてますし、静かに眠れそうですね」って言ってくれただけでも嬉しかったけど。
お姉ちゃんを見送っても、まだ道の駅は営業中。
さすがにそんな状況でテントを張るわけにもいかないし。
仕方ないから、今日の雨でドロドロになったコルナゴちゃんの掃除をすることにしたw
相変わらず便利なこいつで拭きまくって、チェーンオイルも挿して。
18時、ようやく道の駅のおばちゃんも帰宅したので、テントを張ることに。
シャワー室前が三方壁に囲まれてて屋根もあるので、その隙間に張ってみたよ。
四国以来だけど、相変わらずこのテントは張るのが楽ちんでとってもいい。
寝てる間に雨が降ったら困るので、一応全ての荷物はテントの中へ。
んで、セイコーマートで買ったビールを飲みながら、二日間風呂に入ってない最悪な状況を自覚して、GATSBYのさらさらデオドラントボティペーパーで身体を拭きまくってたwwwww
やってることは、コルナゴちゃんと同じレベルだな・・・。
19時、外の駐車場にも車中泊っぽい車はやってこない・・・。
この何もない空間で、完全にうちは一人・・・。
めちゃ心細い・・・。
こうなったら、さっさと寝るしかないね・・・。
というわけで、ビールの力を借りて、眠りについたのでした。
テントの中は暖かくて、寝袋でちょうどいい気温だったよ。
本日の走行距離:144.35km
本日の平均時速:21.9km/h
本日の走行時間:6:36:04
本日の獲得標高:974m
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